沿革・理念 History / Vision 沿革・理念 病理生命科学講座は、1950年(昭和25年)に病理学第二講座として開講しました。 これまでに臼渕勇初代教授、工藤一第2代教授が主宰され、癌(がん)の基礎的研究を主幹とする講座として教育・研究・病理診断に携わってきております。国立大学の法人化が行われた2004年(平成16年)の8月に、鬼島宏教授が東海大学より着任され、2007年(平成19年)4月からの弘前大学大学院部局化・重点化に伴い、現在の病理生命科学講座となりました。 開講70周年 2020年には講座開講70周年を迎えます。この節目にあたり、臼渕勇初代教授が発見した「弘前肉腫」を記念する石碑を建立いたしました。 弘前肉腫は、講座開講の翌年である1951年(昭和26年)に臼渕教授により発見され、その後は癌化学療法(がんに対する薬物療法)に関する研究に寄与し、腫瘍医学の進歩に役立てられています。弘前肉腫について、遠藤正彦第12代学長は、「学問の場で国際的に『ヒロサキ』の名を現した第一号であったろう」と述べられています。 記念石碑は、この功績を称えるとともに、研究の原点とも言える志の継承を願い、設置されています。 歴代教授 臼渕 勇 教授 昭和15年3月 北海道帝国大学医学部卒業 昭和23年12月 北海道大学附属医学専門部教授(病理学) 昭和25年3月 弘前大学弘前医科大学教授(病理学) 昭和29年4月 弘前大学医学部教授(病理学) 昭和45年5月 弘前大学医学部長(併任) 昭和47年2月 弘前大学長 昭和53年2月 弘前大学医学部教授 昭和56年3月 弘前大学名誉教授(定年退官 平成24年4月1日 ご逝去(行年96歳) 主な研究(腫瘍病理学) 癌培養系の確立(がんの実験的解析とがん細胞の培養系樹立) 癌化学療法(がんに対する薬剤治療の研究と薬剤耐性の解明) 大星 章一 教授(新潟大学) 昭和23年3月 北海道大学医学部卒業 昭和32年7月 弘前大学医学部病理学第二講座 助教授 昭和37年9月 国立ガンセンター研究所 病理研究室長 昭和50年3月 新潟大学医学部病理学第一講座 教授 昭和53年6月10日 ご逝去(行年53歳) 主な研究:腫瘍病理学 培養癌細胞の解析(ヒトがん細胞株の樹立と機能解析) 癌放射線・化学療法(がん放射線療法・がん化学療法における病理学的解析) 工藤 一 教授 昭和38年 弘前大学医学部卒業 昭和51年 弘前大学医学部病理学第二講座 助教授 昭和56年4月 弘前大学医学部病理学第二講座 教授 平成5年~ 弘前大学医学部附属病院 初代の病理部長 平成9年~ 弘前大学附属図書館 医学部分館長 平成15年3月 弘前大学名誉教授(定年退官) 平成22年11月19日 ご逝去(行年73歳) 主な研究:癌の研究(腫瘍病理学) 抗腫瘍免疫(がんに対するリンパ球の反応) 癌の転移機序(がんのリンパ節転移や肝・肺転移モデルによる解析) 田中 正則 臨床教授 昭和56年3月 新潟大学医学部卒業 平成13年8月 弘前大学医学部病理学第二講座 助教授 平成16年10月 弘前市立病院 臨床検査科長 平成23年4月 弘前大学医学部臨床教授 令和元年9月13日 ご逝去(行年65歳) 主な研究:消化管病理学 炎症性腸疾患の病理(潰瘍性大腸炎・クローン病の病態解析と病理診断) 胃疾患の病理(胃粘膜障害・胃癌の病態解析と病理診断)